犬に食べさせてはいけない食べ物とは？【中毒の危険】

＊このページでは、犬に食べさせると危険なものについて解説しています。

人間が普段問題なく食べているものの中にも、実は「犬にとっては毒になる」という食べ物が存在します。
中には、「えっ、これもダメなの？」と驚くような、意外なものもあるでしょう。

以下では、犬が食べると中毒などを起こす危険な食べ物と、散歩などで口にしてしまう可能性のある危険な植物について説明しています。

犬にとって有害な食べ物を知っておくのは、犬と楽しく安全に暮らすために必要なことです。

ぜひ、最後までご覧ください。

犬が食べると危険なもの

犬に食べさせると危険なものの一覧が、こちらです。
なお、食べ物ではないが、口にする可能性がある植物も含んでいます。

以下で詳しく説明します！

犬が食べると危険な食べ物

犬が食べてしまうと危険な食べ物と、食べてしまった場合の症状は以下の通りです。
もしも相棒が食べてしまったら、速やかに動物病院へ連れて行くことをおすすめします！

チョコレート

私たち人間にとっては美味しいチョコレートですが、チョコレートに含まれている【カフェイン】と【テオブロミン】という成分が、犬にとっては毒になります。

摂取してしまった場合、下痢や嘔吐、元気がなくなる、不整脈、けいれん発作、などの症状が出ます。
そして摂取した量や状態によっては、死に至る可能性もあります。

もしも犬が食べてしまったら、速やかに獣医師に診てもらう必要があります。

なお、中毒を起こす量の目安は、体重1kgあたりでチョコレート25gです。
＊目安量以下ならば安全というわけではありません！

キシリトール（ガムやキャンディなど）

キシリトールは、ガムやキャンディなどに含まれる甘味料です。

犬が摂取してしまうと、嘔吐やけいれん発作、ふらふらする、立ち上がれない、などの症状が出ます。
小型犬ならば、キシリトール入りガムを1つ食べてしまっただけでも、中毒を引き起こすようです。
また、摂取量によっては、肝不全になる可能性があります。

キシリトールを含むものを食べてしまった場合は、すぐに動物病院へ連れて行きましょう。

香辛料などの刺激物

唐辛子やコショウ、山椒などの香辛料は、犬にとっては中毒の原因になります。

犬が食べてしまうと、少量でも胃腸炎や感覚麻痺などを引き起こす可能性があります。
誤って食べてしまった場合は、深刻な症状が出てしまう前に動物病院へ相談しましょう。

ねぎ類（玉ねぎ、長ネギ、にんにくなど）

犬の「たまねぎ中毒」については比較的有名ですが、長ネギやにんにくなども、犬にとっては同じく有害です。
ねぎ類には【有機チオ硫酸化合物】という成分が含まれていて、これが犬の赤血球を破壊してしまうのです。

犬が食べてしまうと、下痢や嘔吐、胃腸炎、貧血、元気がなくなる、などの症状が現れます。

中毒を起こす量の目安は、体重1kgあたりで玉ねぎ15～30gです。
＊目安量以下ならば安全というわけではありません！

ぶどう

意外ですが、ぶどう（レーズン含む）も、犬にとっては毒になります。

摂取してしまった場合、12時間以内に下痢や嘔吐、脱水、元気や食欲がなくなる、などの症状が出ます。
これらの症状が見られたときは、すぐに動物病院へ連れて行ってください。
最悪の場合、慢性腎臓病になったり、急性腎不全で死んでしまう可能性があります。

アボカド

アボカドには、胃に不調を起こさせる【ペルシン】という成分が含まれています。

犬が摂取すると、下痢や嘔吐、食欲がなくなる、呼吸が荒くなる、けいれん発作などの症状が現れます。
また、誤って種を飲み込んでしまった場合、消化できないので、長いあいだ胃に留まったり、腸に詰まったりする可能性があります。

もしも犬がアボカドを食べてしまったら、速やかに獣医師へ相談してください。

ナッツ類

基本的には、ナッツ全般について、犬に食べさせるのは避けた方が良いです。

ナッツ類は全体的に脂質を多く含んでいるので、消化不良を起こしやすいからです。

そんなナッツ類の中でも、マカダミアナッツは群を抜いて危険です。
数粒程度でも、犬が食べてしまうと下痢や嘔吐、筋力低下や麻痺など引き起こす恐れがあります。

中毒を起こす量の目安は、体重1kgあたりでマカダミアナッツ3.5gと言われています。
＊目安量以下ならば安全というわけではありません！

生の甲殻類と軟体動物（えび、かに、タコ、イカ、貝など）

生のえびやかに、タコ、イカ、貝には、【チアミナーゼ】という酵素が含まれています。

チアミナーゼは、犬の体内のビタミンB1（チアミン）を分解してしまいます。
そのため、犬が食べてしまうと、嘔吐や体重減少、食欲がなくなる、立てなくなる、視力障害などの症状が現れる可能性があります。
そして最悪の場合、死亡することすらあるのです。

もしも食べてしまった場合は、すぐに獣医師へ相談することをおすすめします。

なお、チアミナーゼは熱を加えると機能しなくなるので、えびやかになども充分に火を通せば、食べても問題ないようです。
ただし、少量にとどめておくのがよいでしょう。

鶏の骨

犬って、骨を噛んで遊んでいるイメージがありますよね。

しかし実は、犬に鶏の骨を食べさせるのは大変危険です。
鶏の骨は縦に裂けるので、のどに刺さったり、食道や胃腸を傷つけたりするおそれがあるからです。

また、生で食べると、サルモネラ菌が食中毒を引き起こす可能性があります。

鶏の骨に限らず、牛や豚の骨についても、骨が硬すぎて歯を折ったりすることが考えられるので、注意が必要です。

犬が飲むと危険な飲み物

ここからは、犬が飲んでしまうと危険な飲み物について説明します。
こちらについても、もしも相棒が飲んでしまったら、速やかに獣医師へ相談することをおすすめします！

アルコール

犬は、アルコールの分解酵素を持っていません。
したがって、アルコールを摂取しても、分解することができません。

犬が摂取してしまうと、嘔吐、発熱、呼吸が荒くなる、けいれん発作などの症状が出ます。
最悪の場合、臓器が機能不全を起こして死んでしまう可能性があるので、誤って摂取してしまったら、速やかに動物病院に連れて行ってください。

お酒を進んで犬に飲ませる方はいないと思いますが、ご自身の飲みかけの缶などを犬が舐めてしまわないよう、扱いには気をつけましょう。

カフェイン入りの飲料（コーヒー、紅茶、エナジードリンクなど）

コーヒーや紅茶、エナジードリンクなどのカフェイン入りの飲料も、犬にとっては危険です。

これらを犬が摂取してしまうと、下痢や嘔吐、血便、食欲がなくなる、呼吸が荒くなる、けいれん発作などの症状が出ます。
さらに最悪の場合は、死亡することも考えられます。

犬がカフェイン入りの飲料を飲んでしまった場合は、念の為、動物病院へ連れて行きましょう。

なお、中毒を起こす量の目安は、体重1kgあたりでコーヒー30ml程度と言われています。
＊目安量以下ならば安全というわけではありません！

牛乳

牛乳は、危険というほどではありませんが、犬には飲ませない方が良い飲み物です。

牛乳には【乳糖】という成分が含まれていますが、多くの場合、犬は乳糖を分解する酵素を持っていません。
したがって、牛乳を摂取してしまうと、下痢や嘔吐をしてしまう可能性があります。

なお、体質によって、牛乳を飲んでも平気な子もいますが、それでも大量には飲ませない方が良いでしょう。

ちなみに、ヨーグルトやチーズは、発酵するときに乳糖が分解されて少なくなっているので、少量ならば食べさせても良いとされています。

犬が口にしてしまうと危険な植物

最後に、食べ物ではありませんが、散歩中などに誤って食べてしまう可能性のある植物の中で、毒性のあるものを紹介します。

スイセンやユリなどの植物

犬にとって有害な植物は、こちらで紹介しきれないくらいたくさんありますが、特に散歩中などに遭遇しやすいのは、

などでしょう。

それぞれ毒性の強さや毒を持っている部位、また犬が食べてしまったときの症状に違いはありますが、中には胃腸炎や麻痺、けいれん発作、呼吸困難、心不全など、深刻な症状を引き起こすものもあります。

散歩中は常に相棒の様子を見ながら歩く、特定の植物に興味を持つ素振りが見えたら、リードを引いて制止する、などの工夫が必要です。

楽しい散歩中も気を抜くことなく、大切な相棒を守りましょう。

あらかじめ相棒にとっての危険を避けよう！

この記事では、犬が食べると危険な食べ物について解説しました。

意外に数が多いと感じたのではないでしょうか。

もし、これらの食べ物や飲み物、植物などを犬が誤って食べてしまった場合は、食べてしまったものの現物や商品パッケージを持って、動物病院へ連れて行きましょう。
獣医師が適切な処置をするための助けになるかもしれません。

日頃から食べ物に注意を払い、大切な相棒との暮らしを楽しみましょう！

最後までお読みいただき、ありがとうございました。